使い道のない風景
僕らが写した写真が、僕らが目にした風景の特別な力を写し取っていることは、極めて稀である。
でも僕らがそのとき目にして、そのときに心かきたてられたものは、もう戻ってはこない。
写真はそこにあったものを写し取っているはずなのに、そこからは何か大事なものが決定的に失われている。
でも、それもまた悪くはない。
人生においてもっとも素晴らしいものは、過ぎ去って、もう二度と戻ってくることのないものなのだから。
村上春樹 『使い道のない風景』から
*この言葉は僕が尊敬するある風景写真サイトの管理人さんから教えて頂きました。
心に残った文章だったので紹介しました。
村上春樹氏は学生時代に処女作『風の歌を聴け』(79)を読んでからの初期のファンでしたが、『ノルウェイの森』(87)を読み終わった頃からついていけなくなり、それ以降どの作品も読んでいません。一般的には『ノルウェイの森』からブレイクした作家ではないでしょうか。
僕が好きなのは、初期の作品『羊を巡る冒険』(82)です。
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